お知らせ
2025.11.14 小さな企画展「ツユクサ・キク等のギャラリートーク」について
※11月18日(火)追記 都合により中止となりました。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
来る11月22日(土)午後2時から、草野心平記念文学館小講堂において、小さな企画展「心平の愛した花々 秋の花編」のギャラリートークを開催します。内容は、ツユクサ、キク、カツラ、カキノキ及びヤマハギの5本立てです。
スライドを使って、花の名の由来や花にまつわる物語などを解説しますので、ぜひお越しください。
なお、聴講は無料です。
内容は、ツユクサ(露草)では、ツユクサの花を衣に擦り付ける染色方法は最も原始的なものです。でもツユクサは水性のため、染めても藍色がすぐに薄くなってしまいますが、その欠点を逆手にとった利用方法とは?
キク(菊)では、古典菊の種類や重陽の節句で行われたキクにまつわる行事などを解説します。
菊石って何?実物をご覧いただけます。
カツラ(桂)では、昔女性は桂の葉を鏡の裏に入れ、何を願ったか?カツラの落ち葉の香りはその人によって様々?カツラと月の関係は?などを解説します。
カキ(柿)では、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」には元歌があった?正岡子規は誰の句をパクったの?
あんぽ柿と干し柿は何が違うの?などを解説します。
ヤマハギ(山萩)では、出羽国の郡司小野良実の娘は萩の橋を渡って殺されましたが、一人残った娘は誰?
鹿といえば、「萩」or「紅葉」、どっちが正解?「萩姫」は何故京から郡山まで来たのかなどを解説します。
皆様のご来館を心よりお待ちしております。
2025.11.12 小さな企画展「ヒガンバナ等のギャラリートーク」について
※11月18日(火)追記 都合により中止となりました。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
来る11月15日(土)午後2時から、小講堂において、小さな企画展「心平の愛した花々 秋の花編」のギャラリートークを開催します(聴講無料)。
内容は「ヒガンバナ」「キキョウ」「オミナエシ」「クズ」及び「ソバ」にまつわるお話です。
彼岸花では、南方熊楠が彼岸花のお陰で酒には不自由しなかった話や彼岸花は飢饉対策として植えられた話など。
桔梗では、古今和歌集の桔梗の歌に秘められた秘密など。
女郎花では、小野道風の弟とされる小野頼風にまつわる悲話など。
葛では、「安倍晴明が葛から生まれた?」話など。
蕎麦では、甲斐の武田信玄と小田原の北条氏康の三増峠の戦いで起きたそばにまつわる悲話などを話します。
皆様のご来館、心よりお待ちしております。
2025.11.2 小さな企画展「梨のギャラリートーク」について
来る11月7日(金)午後2時から、小講堂において、小さな企画展「心平の愛した花々 秋の花編」のギャラリートークを開催します(聴講無料)。
内容は「梨」のお話です。①梨の特徴等、②心平・混沌・せいと梨、③梨のきた道、④長十郎と二十世紀の発見、⑤幸水の誕生、⑥いわきの梨のきた道の6本立てのストーリーです。
前半は、梨の品種や梨にまつわる俗信・民間療法、三野混沌と吉野せいが生産していた梨、そして、梨はどこから来たのかなどを話します。
中盤は、「長十郎」と「二十世紀」が発見された経緯、昭和34年に新品種として発表された「幸水」の波乱万丈の身の上話などです。
後半は、市内のナシの産地が小川と赤井などの理由や江戸後期から始まった梨栽培ではどのような品種が栽培されていたのかなどを推理します。
皆様のご来館、心よりお待ちしております。
2025.7.2 夏井川のコウノトリ
去る6月28日、夏井川(小川町三島)の白鳥飛来地に国の特別天然記念物コウノトリがやってきました。心平の「幻の鳥の一列」に阿武隈山脈の方に飛んでいくコウノトリが出てきますので、幻と言っても今ほどではなかったのでしょうね。
コウノトリは、太くて黒く長い嘴を持った大型の湿地などの水辺で暮らす鳥で、魚やカエルなどを食べる肉食の鳥です。くびも太くて長く、また足も長いため、体長は1mを超えます。体は白くて、風切羽が黒いです。明治時代以前は日本各地で見られましたが、明治以降激減し、昭和46年(1971)に野生のコウノトリは絶滅してしまいました。今では、兵庫県を中心に野外に戻す取り組みが始まっており、近くでは渡良瀬遊水地などで産卵行動が見られるそうです。このコウノトリは足環をしているので、放鳥されたうちの一羽ですね。
また、このコウノトリは、帰らずに残っていた白鳥を目掛けて飛来したように思います。白鳥に少しずつ近寄るのですが、白鳥の方は後ずさり、二羽の距離が埋まることはありませんでした。それを静かに見守るアオサギ。なかなか面白い鳥模様?でした。
この鳥同士のやり取りを、小さな企画展「コウノトリと帰らない白鳥展」として、7月11日から8月31日までの会期で開催します。コウノトリなどの写真を約70点展示する予定です。



2025.6.4 ギャラリートーク(スギナ、ノビル、タンポポの話)
6月3日に小さな企画展「心平の愛した花々 「春の花」編」の第4回ギャラリートークを開催しました。ギャラリートークでは「スギナ(ツクシ)、ノビル、タンポポ」にスポットをあて、花の和名の由来やその花にまつわる話などを解説しました。
スギナは、トクサ科トクサ属の植物で、栄養茎をスギナ、胞子茎をツクシと言います。心平の詩「不盡幻想」には、「杉菜の先祖を想ふ」と、杉菜とその先祖のカラマテス(カラミテス)が登場します。その中で心平は杉菜が石炭に化けた先祖であると書いています。
カラマテス(カラミテス)は廬木(ロボク)のことで、石炭紀に栄えそして絶滅したトクサ類です。古生代のこの年代のイギリスの地層から石炭が多く産出されるので石炭紀の名があり、今から3億5900万年から2億9900万年前の時代になります。
石炭の元となった植物は、古生代がカラマテス(カラミテス)などのトクサ類やシダ植物、中生代がソテツやイチョウなどの裸子植物、新生代が現在の樹種に近い植物です。日本の炭田は、古生代石炭紀の地層ではなく、新生代古第三紀漸新世(約3000万年前)の地層(石城層)です。石炭の元となった植物は、産出する化石からメタセコイアやイヌスギなどの針葉樹やポプラ、カンバ、シデ、プラタナスなどの広葉樹だと考えられます。文学館の近くにも福島炭礦があり、子どもの頃は石炭で遊んだ記憶があります。最盛期には日本全国に800以上のもの炭鉱がありましたが、平成14(2002)年にすべて閉山しました。
次回の小さな企画展「心平の愛した花々 「春の花」編」の第5回ギャラリートークは、6月11日午後2時から開催します。ウメ及びツバキにスポットをあてた解説です。是非お越しください。
2025.5.31 ギャラリートーク(フクジュソウの話)
5月27日に小さな企画展「心平の愛した花々 「春の花」編」の第3回ギャラリートークを開催しました。ギャラリートークでは「フクジュソウ」にスポットをあて、花の和名の由来やその花にまつわる話などを解説しました。
フクジュソウ(福寿草)は、別名を「元日草」「朔日草」といい、キンポウゲ科フクジュソウ属の花で、日本固有種です。和名は陰暦の新春に花が咲くことから、幸福や長寿を願って名付けられました。
フクジュソウの生存戦略はちょっと変わっています。フクジュソウは虫媒花のためフクジュソウが受粉をするためには、ハナアブなどの昆虫を呼び寄せる必要があります。そこでフクジュソウが採っている生存戦略は、「コタツぬくぬく作戦」です。その作戦とは、太陽をフクジュソウが追いかけるのですが、この時に花弁をパラボラアンテナのように開き、花の中の温度を上げます。この時の花の中の温度は外気温より5度くらい高くなります。人間がまるでこたつに入っているような状態になり、蜜がなくても虫たちをおびき寄せることが出来ます。
また、フクジュソウはスプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つで、花が終わると葉を付けますが、それも初夏になると枯れ、新春に花芽が伸びてきて花を付けます。併せてキクザキイチゲ、アズマイチゲ、カタクリ、セツブンソウなどの春の妖精たちも紹介しました。
なお、次回の小さな企画展「心平の愛した花々 「春の花」編」の第4回ギャラリートークは6月3日午後2時から開催します。スギナ、ノビル及びタンポポにスポットをあてた解説です。是非お越しください。
2025.5.25 ギャラリートーク(イヌノフグリとフキの話)
5月21日に小さな企画展「心平の愛した花々 「春の花」編」の第2回ギャラリートークを開催しました。ギャラリートークでは「イヌノフグリ」と「フキ」にスポットをあて、花の和名の由来やその花にまつわる話などを解説しました。
イヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)の仲間には、外来種のオオイヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)などもいます。「春のうた」には「いぬのふぐりが咲いている」との記載がありますが、この「いぬのふぐり」は在来種のイヌノフグリなのか?はたまた外来種のオオイヌノフグリなのか?気になりませんか?
また、イヌノフグリのような残念な名前の植物はいっぱいあります。その一つをクイズで出しましたが、「豚の饅頭」の和名を知っている方が1名だけいました。布施明のファンの方だったのでしょうか?尋ねるのを忘れました。
なお、次回の小さな企画展「心平の愛した花々 「春の花」編」の第3回ギャラリートークは5月29日午後2時から開催します。フクジュソウなどのスプリングエフェメラル(春の妖精)にスポットをあてた解説です。是非お越しください。